ヒヤリハットを見逃すな!

ページ

アメリカの安全技師が発表したハインリッヒの法則によると、大きな事故が1件起きると軽傷の事故が29件背景にあり、またその背景に300件におよぶ小さな事故が起きているといわれています。
その背景にある、大きな事故に至らなかった小さな事故のことをヒヤリハットと呼んでいます。

ハインリッヒの法則では、偶然にも大きな事故には繋がらなかったとはいえ、大きな事故が発生する前に同じようなミスや事故未遂(ヒヤリハット)がその裏で起きていることを指摘しています。

そのため、もし介護施設でヒヤリハットの事例が発生した際には、大事に至らずに良かったと安心するだけでなく、再度発生しない対策を考えることが重要です。
日頃からできる限りヒヤリハットの情報を収集し、介護施設でそれらのケースを分析や共有をして問題点を探しだし、中でも同様なケースが見受けられる場合には、早急な対策が必要となります。

主に介護事故に繋がる要因には、利用者本人、家族もしくは介護スタッフなど介助する側、そして介護現場の環境の3つに分類されます。

まずは利用者本人に原因がある場合。
介護サービスが必要とされる高齢者は、身体機能が低下して歩行困難だったり寝たきりだったりとそれぞれの状況や状態が異なります。そこで大事なのが、本人自身が自分の状況を十分に把握するということ。日頃の動きの中で、注意するべき点を理解していないと事故に繋がる可能性は高いでしょう。

介助する側に原因があるケースには、介護者のストレスが溜まっていて気持ちに余裕がなかったり、多忙による疲労が蓄積していたりなど、本人のプライベートな面が起因となって事故に繋がる可能性がよくあります。介護者は、日頃から体調管理を徹底し、仕事中はきちんと気持ちを切り替えて、仕事に対して常に責任を持って取り組む必要があります。

介護の環境の場合には、ベッドの高さやベッドに転倒防止の柵がないなどが挙げられます。
環境でヒヤリハットが発生した場合には、そのケースをきちんと報告し、スタッフ間で検討して、再発と事故を防ぐことが最も重要と言えるでしょう。

事故を防ぐためには、この上記3つの視点を考慮し、事故のリスクの有無を洗い出す必要があります。利用者が長く安心して過ごすためにも、介護スタッフみんなが一丸となり、円滑に情報交換をすることが重要です。
また、こちらの介護の現場でリスクマネジメントというサイトに、事故防止に役立つ知識がしっかりまとめてあったので併せて確認してみるといいでしょう。